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アドベント

私は北海道の牧師館育ちで、幼少時代からクリスマスには真っ白な雪と天井まで届く本物のモミの木(杉もあったかも?)、シュトーレンやジンジャークッキー等がありました。いまから30年以上前のことなので、当時はまだ一般家庭ではかなり珍しかったと思います。

アドベントになると、母が宣教師に教わったフルーツの洋酒漬け(夏から冷蔵庫で4ヶ月以上寝かせ、糠床みたいに時々天地変えする)で焼き菓子を作る匂いが部屋中にあふれ、床には新聞紙を敷き詰めた上に、大量のモミや杉の枝でリースやスワッグ等をいくつも作りました。今のように市販でリースの土台やグルーガンのようなキット等のない時代でしたので、宣教師に教わるままじかに木の枝を輪にしてぐるぐる針金を巻くような素朴な作り方でした。作業の後、手には緑の独特なにおいや脂のようなものが残りました。今でもこれらの匂いが、私にとってはクリスマスの匂いです。

また、アドベントの飾りに欠かせないのが、クリッペン(生誕の人形セット)です。我が家のクリッペンは、上薬のかかってない素焼きの白い陶器で、彩色してありませんでした。けれど子どもだった私の目には、博士はベルベット調の深緑や青いガウン、羊飼いは質素な茶色、マリヤは水色、と鮮明に写っていた記憶があります。木で出来た三角屋根の馬小屋のてっぺんに、天使をぶら下げるようにもなっていました。それら布に包まれた人形をひとつひとつ大事に箱から出しては息を止め、緊張しながら飾っていったのを覚えています。(あるとき何かの弾みで博士の首が割れてしまい、父が治したけれど首筋に付いた黄色いセメダインの跡が痛々しかった・・・。その後この作業はさらに緊張するものとなりました)

それからもうひとつ、この時期送られてくるクリスマスカードを飾るために、空いている壁一面に麻ひもが張られました。カードが届くと、そこに順番に引っ掛けられ、クリスマスが近づく頃には、部屋中に世界各国の色とりどりのクリスマスカードが並びとても綺麗でした。

そして何よりも雪。薄暗くなると、牧師館隣にある教会の天井に届くほどのクリスマスツリーがライトアップされ、雪明りとツリーのライトがマッチして、本当に綺麗でした。
ある年は、画家の教会員が中心になって、紙と色セロファンで、窓という窓全部にステンドグラスが作られました。その年は大雪で、夜ライトアップした教会を、降り積もる雪の中から眺めると、本当に綺麗でした。
大人になって、雪のないクリスマスを過ごすたびに物足りなさを感じてしまうのは、このイメージが脳裏に焼きついているからだと思います。

これが私のクリスマスの原点です。
クリスチャンにとって、クリスマスは救い主の誕生を祝うとき。天使が受胎告知するとき、「この子はインマヌエルと呼ばれる」と言いますが、「神は私達と共におられる」という意味です。アドベントは、そのことを思いつつ喜びながらクリスマスを待つ時期です。

私は子どもの頃の暖かい思い出と相まって、アドベントはとても心躍ります。
この幸せな気持ちを、子ども達にも伝えていきたいという思いでアドベントカレンダー作りには力が入ってしまいます。

今年も数種類のカレンダーを製作・販売しました。
アドベントカレンダーは大人気で、去年からオーダーしてくださった方はもちろん、
自宅ショップではopen数分後に完売されました。

これから少しずつ、いままでの作品を紹介していこうと思います。
by lilac_cottage | 2008-01-19 20:06 | utilityroom(手仕事部屋) | Comments(0)